毛利藩のお抱え宿として栄え、後に維新の志士や明治の偉人が集った古串屋(こぐしや)。
下関長府の地で毛利藩のお抱えとして、商売を始めて約300年、
廃藩置県で毛利より「神在」の姓で商売をするようになって150年あまり、
高杉晋作や乃木将軍も通った老舗料亭です。
代々「古串屋」を営んでおります神在家の先祖は、戦国大名尼子氏の有力家臣の一人である神西氏の一族でした。「尼子十旗」の一つに数えられる神西城を守った武将でしたが、戦いに敗れた後毛利藩にくだり、出雲から下関・長府の地に移りました。そして享保年間には、毛利藩のお抱えとなって両替商を営みはじめました。さらに江戸時代になると商売替えをして毛利お抱えのまま、現在のような宿と食事を供する料理旅館となりました。これが「古串屋」のはじまりです。
その後、廃藩置県によって毛利藩がなくなり、「古串屋(当時の屋号は小串屋)」は神在家に払い下げられました。こうしてお抱えを解かれた明治4年をもって「古串屋」の創業の年としておりますが、下関・長府の地で料理旅館をはじめてからは約300年の歴史があります。その間に古くは高杉晋作や乃木大将から近年では皇族の方々まで、数多くの要人・文化人にご愛顧いただいたこと、そして何よりも代々の神在家が、家業として守り継いできたことを誇りに思っています。
かつてはバブル崩壊や接待の激減などによって、料亭がこれまでのスタイルでは立ち行かなくなるという経験をしました。そして、今またコロナ禍によって大きな変化を余儀なくされています。その一つが「お取り寄せ」需要の拡大です。私たちもそれにお応えして、天然とらふぐ料理や、本格懐石料理をぎっしりと詰め込んだおせちなど、「古串屋」ならではの味を全国にお届けし、心豊かなおうち時間を楽しんでいただけるよう、オンラインショップにも力を注いでいます。
江⼾時代からの歴史を刻んだ建物は、「⻑府の⼤⽕」によって焼失しましたが、調度品や掛け軸などは焼け残り、今も300年の重みを感じさせてくれます。建物、庭、しつらえ、接客、料理。「古串屋」がご提供するのは、そのすべてを融合した極上のおもてなしです。「料亭」は「和⾷」と同様、次世代に伝えるべき⽇本の⽂化でもあると思います。「古串屋」は時代に即した新しい料亭の姿を模索し、変えるべきものと変えてはならないものとを⾒極めながら、これからも挑戦を続けてまいります。
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